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TfasからRebroへの変換:変換データの基本と選び方

2024.11.22

 こんにちは。テクノブレイン 作図事業部です。

 今回から、Tfasで作図された図面をRebroデータに変換する方法を紹介していきたいと思います。

 今回の記事では、まず「TfasデータをRebroデータに変換するために使用するデータ形式を大まかに理解していただく」を目標にしています。


■紹介にあたっての背景


 私たちは主に空調・衛生関連の機械設備施工図の作図を行っています。現場の設備担当者の方から作図依頼を受け、必要な図面を作図しデータで納品する、これが大体の仕事の流れになります。


 「TfasデータをRebroで使えるように変換出来ないですか?」


 最近はこのようなご相談を設備担当者の方からよく頂くようになりました。


 「急な変更でRebroで作図することになったけれど、Tfasで今まで作図をしてきた図面は活かしたい」

 「1期工事はTfasで書いたけれど、2期工事からはRebroになる。取り合うために両方のデータを重ねて確認したい」

 「自社はRebroだけれど他業者がTfasなので、取り合い調整が大変で何とかしたい」

 「改修工事のために、以前Tfasで書いた図面を触りたいけれど、作図ソフトがRebroなので図面が確認できない」


 ご相談いただくほとんどの設備担当者の方は、TfasとRebroの間に互換性がないことで困っています。

 もともと建築設備業界の作図ソフトはTfasが主流だったのですが、建設業界全体の流れを汲み、最近はRebroを採用する現場が多くなってきました。

 工事着工から竣工まで作図ソフトが一貫していれば良いのですが、さまざまな事情から工程途中で作図ソフトが変わったり、別業者と共有するためにデータ形式を変えなければならなかったり・・・。

 互換性のないソフト間でデータを共有する必要がある場合は尚更大変ですし、そもそもどのようにして変換するのが最適なのかが分からない方もいると思います。

 私たちと直接お取引の無い設備担当者の方のなかには「とりあえずネットで調べてみよう」という方がいると思います。

 そんな方の一助になれるのでは?という思いから、TfasデータをRebroデータに変換する方法を発信してみようと思った次第です。



■TfasとRebroの両方に互換性のあるデータ


 背景でも少し触れましたが、まず大前提として、TfasデータをRebroに直接読み込む方法はありません。

 (直接的に互換性があれば、データ変換に困る設備担当者の方はそもそもいなかったことでしょう・・・。)

 そこで、Tfas・Rebroの両方に互換性のあるデータ形式に変換する一手間が必要になってきます。

 下図は、弊社で検証したTfasデータをRebroデータに変換する際に推奨する中間データ(*1)です。

 なお、Rebroデータに変換後も、Rebro上で作図を続けていく前提です。

 *1 … TfasとRebroの両方に互換性のあるデータのこと。TfasからRebroに変換する過程の中間にあるという意味で、このブログでは便宜上そのように呼ぶことにします。



 ※ 図面を構成する要素によって推奨する中間データ形式を分けていますが、変換後のRebroデータで作図する目的がない場合は、(例:変換後の図面の3DCGを確認し、ざっくりとした納まりを把握できれば良い場合など)IFCにて一括変換すると良いと思います。

 ※ 簡易的に作った表であることにご留意ください。要素の状態・変換の条件によってはうまく変換できないことがあります。また、完全にTfasと同じ属性情報が保持できない場合もあります。


 続いて、図に出てきたIFC、BE-Bridge、DWGのデータ形式の主な特徴を説明します。


■IFC


 IFC(Industry Foundation Classes)とは、建設業界でBIMモデルを構成、共有、運用する際に使用されるファイル形式です。

 拡張子はifcです。BIM対応作図ソフトは、IFC形式によるインポート・エクスポート機能を有しています。

 Tfas、Rebroも設備分野のBIM対応ソフトとしてIFCデータ形式を扱えます。


 IFCをTfasからRebroへ変換するための中間データとして見ると、


 ・IFCは2Dデータ(2次元要素)の受け渡しができない

 ・IFC形式に変換された配管やダクトは配管やダクトとしての属性を失い、編集ができない


 この2点に気を付ける必要があります。




 Tfasでは、部材:耐火二層管・用途:雑排水という属性情報を持っていた配管(傍記付き)をIFCで変換すると、属性情報を失い、3Dの円柱となりました。変換後、配管としてのサイズ調整は不可能です。
 傍記は2Dデータ(2次元要素)なので、変換されませんでした。



■BE-Bridge

 BE-Bridge(Building Equipment - Brief Integrated format for Data exchanGE)とは、空調衛生設備・電気設備の異なるCAD間で、データを交換することを目的としたファイル形式です。

 拡張子はceqとdxfです。配管、ダクト等の部材の交換仕様の標準となっています。

 Tfas、RebroはBE-Bridge対応CADソフトです。

 BE-BridgeをTfasからRebroへ変換するための中間データとして見ると、

 ・3Dデータ、2Dデータの両方受け渡しができる(保存時に、拡張子が3D用のCEQ、2D用のDXFの二つにわかれる)

 ・3Dデータと2Dデータの連動が切れている

 ・鋼材を3Dデータとして変換できない(2Dデータになるか、変換できずに要素が消える)

 ・Tfasに読み込まれているIFCデータをBE-Bridgeに変換できない


 この4点に気を付ける必要があります。




 BE-Bridgeでの変換は、配管の属性情報は失われずに変換されます。変換後の配管編集も可能です。

 2Dデータ(2次元要素)の傍記も変換できますが、傍記ではなくただの文字になっています。

 配管と連動が途切れているので、サイズを変更しても傍記は変更されません。


■DWG


 DWGはAutodesk社製のCADファイル形式です。拡張子はdwgです。

 2次元、3次元に対応しており、Tfas、Rebroもdwgデータを扱うことができます。

 基本的にはIFC、Be-Bridgeで3次元要素、2次元要素の両方を網羅できると思いますが、BE-Bridgeにて2次元要素の変換がうまくいかない場合などは、DWGを試してみるのが良いかと思います。



■今回のまとめ


 上記では、TfasからRebroにデータ変換するための3つのデータ形式の主な特徴を説明してきました。

 この3つのデータ形式の特徴にのみ注意しながら変換すればOK・・・には、残念ながらなりません。

 変換後のRebroデータで引き続き作図を行っていくことを前提に、実際に変換を行っていくと、各要素のより細かな注意点が発生します。

 「計器類の向きが逆になってしまう」「ダンパーのレバーの向きが逆になってしまう」「Tfas内蔵の機器の中でも、保持できる属性が違うものがある」「ダクトの一部が変換できずに消えてしまう」などなど・・・。

 中には、一つ一つ目で確認して手作業で修正をしなければならない箇所などもあり、引き続き作図を行っていくことを前提にTfasデータをRebroデータに変換すると、ある程度の時間と手間がかかります。



 次回は、通り芯や躯体、配管、ダクトといった要素別にTfasからRebroへ変換する際の注意点などを紹介します。

 今後の記事では、引き続き、TfasデータをRebroに変換する方法について詳しく説明していきます。


 時間と手間を考慮すると、データ変換作業を外部に委託することも対処方法の一つかと思います。 外部に委託することをお考えの方は、ぜひテクノブレインにご相談ください。


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